ぷるびーのイタリア留学日記

ミラノ工科大学のlaurea triennaleで建築デザイン学んでます

イタリアの大学学士課程に進学する その2 受験勉強~入試、結果発表まで

Buongiorno! ご訪問頂きありがとうございます。ぷるびーのです。

 

様々な大学での講義、課題、中間・期末テストに追われ四か月近く更新ができずにいました... 

前回に引き続き、今回もイタリアの大学学士課程に進学するための記事を書いていきます。イタリアの大学に興味がある、進学を考えている人にとって少しでも役に立てば幸いです。

*1

pulvino.hatenablog.com

前回のブログではイタリアの大学入試に関する全体的な話で止まっていたので、今回は私が実際に大学進学の準備を始めてから二浪し、試験を受け、合格し、手続きを進め無事に入学するまでを記していきます。受験勉強から入学するまでの間で伝えたいことが多いので、今回は受験勉強を始めてから入試の申し込み、結果発表までの流れを掲載したいと思います。

 

まず初めに私が在学しているミラノ工科大学ですが、海外からの留学生が入学するためには日本と同様に受験があります!受験内容は先行したいコースにより異なりますが、工業系の大学なのでどのコースにおいても日本の高校で学ぶような物理や数学の知識は必要だと思います。

私が専攻しているコースについてですが、名前をArchitectural design courseといいまして、

  • 大学正規のbachelor's degree (3年制、制度上では日本での学士課程に相当)
  • 授業は全て英語で開講(Bachelorの場合ほとんどがイタリア語で開講されるコース。英語で受けられるのはこのコースか Civil Engineering だけ。)
  • 基本的にどちらのコースでも語学能力の証明が必須、ただし英語に関してはArchitectural designの場合TOEFLのinternet based score≧59 レベルで入学条件は満たす、しかし授業についていけるとは言っていない。)
  • 9月入学、2学期制

となってます。

 

特徴としては全ての授業において英語でレッスンを受けることができることでしょうか。近年イタリアの大学では国際化が進み、英語で学位を取得できる大学も増えてきているようです。とは言え、bachelorから英語のみのコースを設けている大学はあまり多くないように感じます。

それではここからいよいよ、私が実際に行った受験勉強や受験の手続き、ビザの申請等について書いていきます(今回は試験結果の発表まで)。

*この記事の内容はあくまでミラノ工科大学のBachelor’s degreeに入学する(2023‐2024season)場合であり、入学に関する情報はそれぞれの大学で異なります。イタリアへの進学を考えている場合には最新の情報をご自身で確認してください。

[大まかな流れ]

2022年

9月 過去問を入手

2023年

3月 入試に必要な書類の準備

5月 受験の申し込み

7月 家探し、受験

8月 ビザ申請

9月 イタリアへ渡航

2022年9月に過去問を見つけてからの時系列を追った説明になってます。(二浪した私は過去問を見つけた時点で既に大学のアカウント等を作っていましたが、現役での合格を目指す人のため、今回は受験する年にアカウント等の手続きをするという流れにしています。)

2022年

9月

過去問を見つける。Alpha test architetturaという本をイタリアのAmazonのサイトから取り寄せました。この時点では日本のサイトでは取り扱っていませんでした。本体が日本円で4000円ぐらい、送料が同じくらいかかりました。

上記のサイトでは過去問や練習問題集などのセットで販売されていますが、正直一番右のオレンジ色の問題集(Alpha test quiz 3100)を買ってやりこむだけで十分な情報が得られます。本に記載のコードを使ってパソコンでテスト形式の問題を解くこともできるのでお勧めです。ちなみに問題集は全文イタリア語で書かれていました。

私の勉強方法は

初めにすべての回答を本に直接書き込む

→一問ずつ選択肢にある建物の名前や歴史上の人物について確認

→分からないもの、知らないことは図書館の本で調べる

という流れで行いました。これを何度も暗記するまで繰り返し、建築史等は問題集には載っていない関連する事柄も覚えるようにしました。本番のテストには英語の長文読解や数学・物理も出題されますがそれらは市販の参考書や高校時代の教科書等で勉強しました。

勉強の進め方は人それぞれですので自分に合うやり方で進めましょう。英語での入試だけかは分かりませんが、私の年は試験本番ではイタリアの小説家やイタリア国憲法に関する問題は出ませんでした。

過去問を見つけるまでの受験勉強ですが、情報を探しても日本ではほとんど見つからず(当時の自分には残念ながらイタリア語で検索するという発想がなかった)頼れるものは募集要項に書かれたわずかな案内と大学のホームページ上で唯一閲覧できた2005年?の過去問だけでした。それ故に参考になりそうな情報を自分で推測し建築史や建築家に関することは図書館の本を使い、英語や数学、物理は家にある参考書や買ったもので勉強するという日々でした。しかし実際、過去問を手に入れた後も図書館の本は大いに役に立ちました。

2023年

3月

大学のホームページに‘’受験の申し込みについてのお知らせは来月発表されます”とのお知らせ。⇒実際の発表は5月末でした。

大学のホームページにてアカウントを作る。⇒大学のトップページ右上のLoginからOnline Servicesのページを開きRegisterから氏名、生年月日、出生地や住所などを入力し、自分の情報を登録する。

*この時に発行される8桁のコードはアカウントへのログインだけでなく、これから先の入試や入学してからの手続き等大学生活の様々な場面で使います。

高校の卒業証明書等大学側から求められている書類を準備する。⇒高校の卒業証明書および成績証明書は伊文または英文のものを外務省でアポステイーユをしてもらい、等価証明を大使館にて発行してもらう。アポステイーユについては詳しく解説している人が多数いるため省略。

5月

受験の申し込みをする。当日のテストはオンラインで自宅のパソコンで受ける形となります。⇒受験の登録の仕方について詳しくはサイトのLaurea Programmes→application proceduresにて説明されています。

まずは自分のアカウントにログインし、application formからLaurea and five-year~:entrance or recover test and enrollment を選択。

その後、test registrationを選択。だいたい六月初めからregistrationができるようになります。6月になったらこまめにサイトをチェックして早めに登録してしまいましょう。

Registrationに進んだら、受験したいコース、受験時のテストの言語、合格した際に進学を希望するキャンパスの順位(1st-6thまで、6番目まで選ばなくてもよい)などを入力しPagopaにて受験料(30€ぐらい)を納入。支払いにはクレジットカードや銀行振込、PayPalなどが使えますが銀行振り込みは手続きが面倒なのでおすすめできません。

6月

Universitalyのサイトにて受験のpre-enrollment登録。⇒Universitaly内にアカウントを作り、自分の受験するテストやビザの申請のための大使館情報などを入力し必要書類をアップロードする。こちらについてもブログ等で詳しく説明している方がいますので省略。次回のブログにて書きますが、試験結果発表からビザの申請までは非常に時間の余裕がなく忙しいです。ビザ申請に必要な書類についてはこの時点でUniversitalyの入学許可証と留学保険以外揃えておけると望ましいです。

7月

ミラノの賃貸を契約する。⇒ミラノでは本当に家探しに苦労しました。4月から家を探し始めて3か月ぐらいかけて希望にそれなりには適う物件を見つけることができました。入学初日から大学で授業を受けたかった私は、試験を受ける前にあらかじめ前納金を払い賃貸を契約しました。しかし、試験の結果ミラノのキャンパスに通うことは叶わず、ピアチェンツァのキャンパスに通うことになったため、試験後大至急家を探す羽目に…

物件探しについては後日またブログを書きます。(今思えば1st rankingで試験結果を再考してもらえば良かったかなとも少し思います。試験結果の再考については下記。幸いにもピアチェンツァでは驚くほど早く良い物件が見つかりました。)

 

合格した後の書類を揃える⇒試験結果発表から大学初日の授業開始まで1か月程度しかないのであらかじめビザ申請の書類を準備。ビザの申請については次回のブログにて。

 

テスト1週間前にCISIA(受験当日オンラインのテストを管理するシステム)からメールが届く。⇒指示に従って受験するための環境を整えましょう。パソコンの接続を確認するためのプレテストに関する情報もメールに記載されています。

詳しくはThe day of the TOLC@HOME - Cisia (cisiaonline.it)

この様に部屋の環境を整えます。

テスト当日

⇒テストは日本時間の夕方4時ごろから始まります。テスト開始の30分ぐらい前になるとメールに記載されているQRコードからテスト用のzoomのミーティングに参加できるようになります。当日はこのzoomのカメラを使いカンニング等ないか監視されることになります。テスト中zoomの画面が切れたりすると不正とみなされるので注意しましょう。

zoomの準備と並行してパソコンからテスト画面を立ち上げます。メールのリンクからstudent area に移動してログインし4桁のcontroll codeを表示しておきます。

テストの時間が近くなると受験者の部屋を1人ずつ試験官が確認します。自分の名前が呼ばれたらzoomをつないでいるスマートフォンやタブレットなどを使って部屋の様子を試験官に見せます。(机の下や横、自分の姿、パスポートの写真などを写すように求められます。)一通り確認が終わったらパソコンのcontroll codeを試験官に見せます。そうすることでパソコンが遠隔操作可能な状態になります。受験者の部屋の確認が一通り終わったら、試験官の操作によりパソコンの画面が遷移し試験が開始されます。

<試験終了後>

試験終了後はすぐに自分の得点が確認できます。2023‐2024シーズンはミラノのキャンパスに行けるかどうかのボーダーが36/60ぐらいでした。入学できるかどうかのボーダーについては確認できていません。参考までに私の場合、上述のオレンジ色の問題集をテスト形式で解いて平均76%ぐらいでした。これだとミラノのキャンパスに行けるかどうかのボーダーぐらいの得点になります。

8月

試験から5日程度すると正式な1st rankingが大学から発表され、この時点で入学可能なコースが示されます。このランキングが分かりずらいのですが、なぜか自分の8桁のIDではなく6桁の別のコードの表記になっています。生年月日と得点も併記されているのでそちらを確認しましょう。

もしこの時点で入学可能なコースがない場合やどうしても他のキャンパスに行きたいといった場合には、メールを送って試験結果について再考してもらえるように頼むこともできます。再考されたあとの2nd rankingは8月下旬の発表になります。

2nd rankingを待っていてはビザの申請等入学までに間に合わないのでは?と考えるかもしれませんが大丈夫です。実際に入学してから分かったのですが、入学初日から学校に来る生徒は全体の1/3程度(もっと少なかったかも)で1か月ぐらい経ってビザが下りてからイタリアに来る生徒もいますし、時差の影響があるにせよ全ての授業がオンラインで同時配信されているので授業を受けることは出来ます。中間・期末テストに関しても普段オンラインで授業を受けていた生徒に対しての配慮もされます。

ですので1st rankingで受からなかったからとあきらめずに、受からなかった場合でも再考を頼むことを強くお勧めします。

 

以上が私が経験したミラノ工科大学のBachelor's degreeに入学するためのステップになります。卒業証明書のアポステイーユなど慣れない手続きを受験勉強と並行して行わなくてはならないのが辛いところではありますが、早めの行動を心掛け分からないことはとりあえず聞いてみることが重要です。

次回は入学金の納入からビザの申請、取得までを書きたいと思います。

かなりの長文になってしまいましたが最後まで読んでいただきましてありがとうございます。この記事がイタリア留学をしたい人にとって少しでも役に立てば幸いです。

 

 

*1:前回のブログはこちら